2017年01月18日

日本インターネット映画大賞2016年度投票・日本映画/外国映画

今年も日本インターネット映画大賞に投票する。

日本映画

【作品賞】
「シン・ゴジラ」    8点
「殿、利息でござる!」   3点
「俳優 亀岡拓次」   2点
「二重生活」   1点
「シネマ歌舞伎 スーパー歌舞伎II ワンピース」   1点
【コメント】
邦画では見たい作品が数少ない残念な一年だった。が、ゴジラのすごさが1年分の映画を観ただけの価値のあるものだった。非常に濃縮された作品で、政治や科学や未知なるものに立ち向かう人間の団結力、自然の驚異が詰まっている。ミステリー、SF、政治劇、アクションものパニックもの、戦争多くの作品の要素が詰まっている。一瞬たりとも目が離せない迫力と興味を引きつけるドラマ。リメイクされたゴジラはどれもどこかに不満があったがこれにはなかった。事前にリークされたゴジラの造詣や最初に登場した進化前の形態などには違和感を覚えたが、ドラマが進むにつれこれしかないと感じるようになった。まさに完璧。

【監督賞】          
   [庵野秀明]
【コメント】
「シン・ゴジラ」の演出がすごいのが総監督・庵野秀明の功績なのか、監督・樋口真嗣の功績なのか判断できないので、今回はより上位と思われる総監督を監督賞に推すことにする。一人の頭の中でこれだけの作り込みができるとは思えない。が多くのスタッフの意識をまとめて方向性をつけただけでも大いなる仕事と思う。

【最優秀男優賞】
   [安田顕]
【コメント】
「俳優 亀岡拓次」の演技で、途中からこの作品の中堅俳優・亀岡拓次としての演技なのか、俳優・安田顕のドキュメンタリーなのか区別が付かなくなってきてしまった。映画の中の登場人物がそのまま生身の人間のように感じる。ユーモアがあって、ちょっと抜けていて、それほど情熱的ではないのにやるときはやる。でもうまくいかなかったり、思わぬところが評価されたり。自然な存在感がよかった。

【最優秀女優賞】
   [竹内結子]
【コメント】
「残穢 住んではいけない部屋」「クリーピー 偽りの隣人」とたまたまミステリー仕立ての作品の暗い主人公を演じていた。どちらも余計の力の入っていない自然体な演技がよかった。

【ニューフェイスブレイク賞】
   [門脇麦]
【コメント】
「二重生活」の主演。既に多くの作品での出演経験があるようなのだが、私が主役級の出演で見るのは恐らくこれが初めて。地味な女子大生が、ある人物の尾行をするうちにその人物達の生活にのめり込んで行ってしまう。必死さと不器用さがありながら魅力的な人物に見えた。最後にはしたたかな面も現れ色々な表情がうかがえる。

【音楽賞】
  「シン・ゴジラ」
【コメント】
過去のゴジラ作品の思い出ももちろん加味されているだろうし、他の庵野映画の音楽の使い方の印象も加わっているだろう。それも含めて、どの場面でもその場面にぴったりのBGMが流れ、場面場面での気持ちを盛り上げる。ゴジラ登場シーンも最後の決戦シーンも、すべてわくわくはらはらさせる音楽の使い方は感動的だった。

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外国映画

【作品賞】
1位  「ヘイトフル・エイト」
2位  「パディントン」
3位  「孤独のススメ」
4位  「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」
5位  「高慢と偏見とゾンビ」
【コメント】

【監督賞】          
   [クエンティン・タランティーノ]
【コメント】
「ヘイトフル・エイト」のだましあいの複雑なドラマ。冒頭からドラマに引き込まれて、あっという間に最後まで。小屋の中の暖かな場面での冷たい心理戦と、外の寒々とした雪の世界での激しいやりとりと見所も多かった。

【最優秀男優賞】
   [マット・デイモン]
【コメント】
「オデッセイ」でほぼ映画のほとんどを独りで演じる。誰かとの対話で感情を表現するのではなく、終始独白でドラマが進む。見事に感情移入できた。

【最優秀女優賞】
   [メリル・ストリープ]
【コメント】
「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」で、周りの人間に守られて奔放に生きる女性役を演じる。実際にはただ自由に生きるお金持ちではなく、暗い過去を持つ。が、それをまったく感じさせないし、やりたいことをやる行動力もある。老け役でも朗らかな魅力ある人物を演じている。

【ニューフェイスブレイク賞】
   (なし)
【コメント】

【音楽賞】
  「ヘイトフル・エイト」
【コメント】
西部劇のワクワクする印象をニュースタイルのドラマでも感じられた。よかった。

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【私(ユーザー名)が選ぶ○×賞】
   [           ] (「        」)
【コメント】

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 この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。
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タグ:映画賞
posted by jmovie at 23:05 | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月28日

孤独のススメ

☆☆☆☆☆



妻を亡くし独り暮らしの男。毎日毎日規則正しく同じ生活を繰り返している。人付き合いは毎週日曜日の礼拝のみ。それでも秩序正しくシンプルで平穏な暮らし。そんな彼が、帰るべき家を知らず言葉も話せないようなおかしな男を自宅に泊めてやることにすることから物語ははじまる。

映画はその二人の奇妙だが静かな生活をただ傍観しているだけのようにも見えた。だが少しずつこころざわめくものが見えてくる。白痴のように振る舞う男がふと間違えて、亡き妻の服を着てしまうことから主人公自身も迷いの中に踏み込む、もしかしたら彼を妻の生まれ変わりのように見たのかもしれない。女装した男暮らす彼を見て、少年がホモと侮辱する。なぜか激昂する主人公。そんなふたりが夫婦の思い出の地、マッターホルンへの旅行を考え始めたときに、迷い込んだ男の正体がわかる。

その後は怒濤のように進む。何もかも明らかになっていく二人の男の人生。あまりのことに後半は涙を流し続けて観た。そして予告編の背景で流れる主題歌には感動以外存在しない。"孤独"な男の心を満たすものは何なのか。ただただ拍手喝采を贈るだけだ。
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posted by jmovie at 14:55 | TrackBack(0) | 洋画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月10日

オートマタ


☆☆☆ーー



アフターワールドもの。人工知能もの。太陽活動の異常により地球が荒廃し人類が滅亡寸前にある時代。少数の人間が壁に囲まれた小さな都市に集住。労働力の不足を補うため、開発されたロボット。主人公はそのロボットの保険調査員の男。

『ブレードランナー』『猿の惑星』『AI』など過去の作品とテーマ的に重なる部分がある。とくに酸性雨の降り注ぐ暗いスラムのような都市を調査員が徘徊する姿はブレードランナーを彷彿とさせる。

やや暗いデザスター的なテーマで、しかも洗練さのかけらもない無骨な労働ロボットたちが静かに歩く様は、最近の流麗でCGによるなめらかな美しさを持つ近未来SFとはやや切り離された時代の作品のようにも映る。汚染の進むすさんだ町での生活に見切りをつけ、主人公は子供の頃の思い出のある海岸地方への転勤を願う。

そのとき調査を依頼されたのが刑事がロボットを"射殺"した事件。刑事はそのロボットが、プロトコルで禁止された「自己修復」を行っていたと主張する。そのプロトコルは絶対に破ることができない暗号化処理をほどこされているはず。操作をする中で、人類を滅亡に追いやる可能性のあるロボットの中に人間性を見つけつつ、既成の価値観を捨てられない主人公。一方、ロボットを破壊することになんの躊躇もない人間たち。その傍若無人さに戸惑いも感じる。

もうすぐ生まれてくる赤ん坊の存在が主人公に何かを感じさせる重要なかけらとなっている。ネタバレあり
posted by jmovie at 22:13 | TrackBack(0) | 洋画・アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月09日

マネー・ショート 華麗なる大逆転

☆☆☆ーー



複雑な金融デリバティブ取引が主な題材になっている。映画という枠の中で観客が理解するのは難しいが、それをどういう意味があるのか分からせるための工夫ががんばっている。ジェンガを使った説明は視覚的でよくできていると思った。

住宅ローンを証券化した金融商品を中身をよく理解せずに買う投資家。理解しようとせず単なる数字のオモチャとして遊ぶ金融業者。本当にその中身を詳しく見ていく中で、とんでもない劣悪な商品だと気がつく。この中身を世間が知れば大暴落間違いなし。その大暴落に賭けて大ばくちを打った主人公たち。だがいつかは崩壊するバブルもいつ崩壊するかわからない。日々膨らんでいく損失、損失の補填に追われて神経をすり減らす日々。

住宅ローン市場の詐欺的仕組み、格付け会社の無責任な体制、自己保身のための犯罪的価格操作。それらを的確にわかりやすく映像化しているのはすごい。
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posted by jmovie at 10:51 | TrackBack(1) | 洋画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月29日

ヘイトフル・エイト

☆☆☆☆☆



個性的な8人の面々のしのぎあい。あれ?山小屋に閉じ込められたのは9人なんだけどなあ。御者のO.B.は嫌われ者じゃないから数えないということね。

とにかく個性豊かな8人。彼らそれぞれの間に因縁があったり対立があったりで、その個々の対立関係が面白い。タランティーノ監督作品らしい台詞による対立。それがどんどん新事実が掘り起こされ非常に興味深いエピソードが語られる。語り口が非常に面白くて、台詞だけで語られて再現映像などないのに面白い。随所で見せる荒くれ者らしい暴力シーンがさらに雰囲気をもり立てる。

登場人物達の衣装や仕草もなかなか雰囲気があってそそられる。退役南軍将軍のただただ昔の偉功にすがるシンプルな軍服。主役二人の賞金稼ぎの豪華で猛々しい衣装。特にマーキスの白革手袋の威圧感も素晴らしい。死刑執行人の英国紳士面、新保安官のコウモリのように敵味方を変える姿勢もよい。殴られても殴られても態度を変えない威勢のよい女賞金首も。とにかく個性のぶつかり合いでどんどん話が進んでいくのが面白い。続きを読む
posted by jmovie at 22:00 | TrackBack(0) | 洋画・アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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