2016年03月09日

マネー・ショート 華麗なる大逆転

☆☆☆ーー



複雑な金融デリバティブ取引が主な題材になっている。映画という枠の中で観客が理解するのは難しいが、それをどういう意味があるのか分からせるための工夫ががんばっている。ジェンガを使った説明は視覚的でよくできていると思った。

住宅ローンを証券化した金融商品を中身をよく理解せずに買う投資家。理解しようとせず単なる数字のオモチャとして遊ぶ金融業者。本当にその中身を詳しく見ていく中で、とんでもない劣悪な商品だと気がつく。この中身を世間が知れば大暴落間違いなし。その大暴落に賭けて大ばくちを打った主人公たち。だがいつかは崩壊するバブルもいつ崩壊するかわからない。日々膨らんでいく損失、損失の補填に追われて神経をすり減らす日々。

住宅ローン市場の詐欺的仕組み、格付け会社の無責任な体制、自己保身のための犯罪的価格操作。それらを的確にわかりやすく映像化しているのはすごい。
だが、そこにカタルシスはない。崩壊しているはずのバブルなのにいつまで立っても主人公たちの利益にはならない。詐欺的行為が明らかになっても誰も責任を取らない。そして大儲けしてもなんら喜びがない。製作に名を連ねたブラッド・ピットが演じる役の中でその儲けの本質を語っている。自分たちが勝つと言うことは、社会が壊滅的な打撃を受けると言うこと。それを言われた若い投資家たちは、本質的にはローン債権を販売して利益を出していた業者と同じで、マネーゲームしか見ていない。背景にある経済の実体を感じることの大切さを語っている。

http://www.moneyshort.jp/
http://eiga.com/movie/83256/

監督:アダム・マッケイ
出演:クリスチャン・ベール(マイケル・バーリ)、スティーブ・カレル(マーク・バウム)、ライアン・ゴズリング(ジャレッド・ベネット)、ブラッド・ピット(ベン・リカート)

原題 The Big Short
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 東和ピクチャーズ
上映時間 130分




posted by jmovie at 10:51 | TrackBack(1) | 洋画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
Excerpt: アメリカが、国民のみならず政府までその経済的な成長を疑う事なく経済発展の春を謳歌していた2005年、最も安定性が高いと言われていた不動産市場の崩壊を予測し、不動産債権で空売りを仕掛けて莫大な利益を得た..
Weblog: ここなつ映画レビュー
Tracked: 2016-04-08 22:30
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