2016年03月10日

オートマタ


☆☆☆ーー



アフターワールドもの。人工知能もの。太陽活動の異常により地球が荒廃し人類が滅亡寸前にある時代。少数の人間が壁に囲まれた小さな都市に集住。労働力の不足を補うため、開発されたロボット。主人公はそのロボットの保険調査員の男。

『ブレードランナー』『猿の惑星』『AI』など過去の作品とテーマ的に重なる部分がある。とくに酸性雨の降り注ぐ暗いスラムのような都市を調査員が徘徊する姿はブレードランナーを彷彿とさせる。

やや暗いデザスター的なテーマで、しかも洗練さのかけらもない無骨な労働ロボットたちが静かに歩く様は、最近の流麗でCGによるなめらかな美しさを持つ近未来SFとはやや切り離された時代の作品のようにも映る。汚染の進むすさんだ町での生活に見切りをつけ、主人公は子供の頃の思い出のある海岸地方への転勤を願う。

そのとき調査を依頼されたのが刑事がロボットを"射殺"した事件。刑事はそのロボットが、プロトコルで禁止された「自己修復」を行っていたと主張する。そのプロトコルは絶対に破ることができない暗号化処理をほどこされているはず。操作をする中で、人類を滅亡に追いやる可能性のあるロボットの中に人間性を見つけつつ、既成の価値観を捨てられない主人公。一方、ロボットを破壊することになんの躊躇もない人間たち。その傍若無人さに戸惑いも感じる。

もうすぐ生まれてくる赤ん坊の存在が主人公に何かを感じさせる重要なかけらとなっている。ネタバレあり
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2016年02月29日

ヘイトフル・エイト

☆☆☆☆☆



個性的な8人の面々のしのぎあい。あれ?山小屋に閉じ込められたのは9人なんだけどなあ。御者のO.B.は嫌われ者じゃないから数えないということね。

とにかく個性豊かな8人。彼らそれぞれの間に因縁があったり対立があったりで、その個々の対立関係が面白い。タランティーノ監督作品らしい台詞による対立。それがどんどん新事実が掘り起こされ非常に興味深いエピソードが語られる。語り口が非常に面白くて、台詞だけで語られて再現映像などないのに面白い。随所で見せる荒くれ者らしい暴力シーンがさらに雰囲気をもり立てる。

登場人物達の衣装や仕草もなかなか雰囲気があってそそられる。退役南軍将軍のただただ昔の偉功にすがるシンプルな軍服。主役二人の賞金稼ぎの豪華で猛々しい衣装。特にマーキスの白革手袋の威圧感も素晴らしい。死刑執行人の英国紳士面、新保安官のコウモリのように敵味方を変える姿勢もよい。殴られても殴られても態度を変えない威勢のよい女賞金首も。とにかく個性のぶつかり合いでどんどん話が進んでいくのが面白い。続きを読む
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2016年02月23日

X-ミッション

☆☆☆☆ー



驚異的なアクションに圧倒されっぱなしの映画。冒頭から、荒野でのバイク疾走シーン。狭い尾根だけを駆け抜ける様は死と隣り合わせの危険だが高い技術を感じさせるアクション。オリンピックやMLBなどトップレベルのスポーツを息する暇もなく連続で見続ける緊張度の高い傑作。

すごいのはこの驚異的なアクションが一種類だけではないということ。スカイダイビングがあり、サーフィンがあり、スノーボードあり、ボルダリングあり。ちょっとそんなところでやるのは不可能でしょうという場面で行われて、全部がちょっと間違えると死に至る極めて危険なアクション。これを連続で行う。CGを使っていないというからさらに驚愕。しかもいったいどこから撮影しているのか想像すらできない。いや想像はできるけど、とても実現不可能な想像しかできない。この映画が撮影できたこと、最後まで完成できたことが驚異的。
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2016年02月12日

白鯨との闘い


☆☆☆ーー



捕鯨船の中で繰り広げられる男達の権力闘争。クジラとの戦いというより、人間同士の争いが描かれ、最終的にそれがちっぽけなもので自然(クジラ)との関係で見れば大した物でなかったことがわかる。

でも見所は捕鯨のシーン。素手で繰り出す鑓一つを武器に巨大なクジラと戦うシーンは迫力がある。だからこそ、そのピークが中盤で訪れあとは終盤に行くにしたがって地味な場面になってしまうので盛り上がりに欠けてしまう。

さらに船乗りにまつわる色々な生活感が描かれているのがよかった。大洋上の船という常に生命の危機にさらされる現場では、現場の実際的能力が重視されるかに思えたが、港町での家柄が重視され士官と船乗りの身分差がある部分。一瞬で生死を分ける判断力がいる場面。クジラを仕留めた証のピンにステータスを感じて憧れる場面。遠洋にあっても出資者を気に掛けずにいられないこと。そして船長として一国一城の主になることのなによりも重要な点。

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2016年02月11日

エージェント・ウルトラ

☆☆ーーー



情緒的なシーンが多くテンポがわるい。薬中でコンビニ店員のダメ男が主人公だけど、ポップにとんだ感じではなくて真面目に出来が悪い。でも真摯に生きている感じで"ダメ"っぷりと超人的な活躍の落差を楽しむこともない。戦いっぷりがかなり泥臭く、ウルトラの美技で驚かせる場面はほぼ予告編で出尽くしている。

つまり予告編最強な映画。

敵=CIAが強ければいいけど、事務職のボスが組織を把握できずただやられるだけで敵も強くない。主人公もそんなに強くないし、相手も強くないとなれば面白くなるわけがない。

アイディアはよかったが、実装がわかっていない。

結局、能力はないけど人間的に魅力的な人物に人生を棒に振って愛を捧げたラブロマンスなのに、エージェント部分を強調したためにターゲットと違う層にアピールしてしまった失敗作。馬鹿だけどオバカではないのはまったくの期待外れ。

もっと純愛路線で攻めればよかったかもしれない。


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posted by jmovie at 19:51 | TrackBack(0) | 洋画・アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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