2013年04月02日

キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け

☆☆☆☆ー

巨額のマネーの動くなかで、うまくたちまわることができるのか。人を欺く行為と心からの信頼を寄せられるかの人間関係。そして真実を隠しての駆引き。

金融界の大立物が主人公。経済誌の表紙を飾る程の大成功者。家族にも愛され慈善活動も盛ん、プライベートジェットで旅行もする。だが彼は危機的状況にあった。

投資銀行を経営するロバート・ミラーは、投資の失敗で大きな損失を抱えていた。が、それを隠して大成功しているかのように装い会社を売却してその利益で穴埋めしようと計画していた。だがそれは詐欺にあたり判明すれば20年は刑務所に入れられる可能性もある。だがなかなか交渉が進まず粉飾が明るみに出る危険が増している。

そんな中、不倫相手との関係も悪化し続ける。なんとか関係を修復しようと出かけた先で事件を起こしてしまう。それも世間に知れれば買収話はなくなるかもしれず、家族に不倫が明らかになってしまうなど様々な問題を抱えることになる。

いったんは隠蔽に成功したように見えたが、その後警察の追求や監査のやり直しなどで次第に危機に追いつめられて行く。

彼は迫り来る危機に対処できるのか、あるいは破滅するのか。彼を破滅させる鍵を握る多くの人物たちの中で誰がきっかけになるのか?サスペンス要素も強い。

リチャード・ギアが成功者の表情と追いつめられた犯罪者の両面を好演。彼を愛し信頼しきっている妻役のスーザン・サランドンもこれまた好演。
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2013年03月21日

クラウド・アトラス

☆☆☆ーー

6つの異なる世界の異なる人々が主人公の独立した話が交互に描かれる。始めは全然別の話だが、徐々に各々の物語は関連があり連続している事がわかってくる。それと同時に話の展開も同期をしてゆきそれぞれにクライマックスを迎える。

各時代のそれぞれの人物は別の人物の生まれ変わりであり、記憶は繋がっていないがそれぞれに強い結びつきを感覚として感じることはでき、恋人同士だったものが生まれ変わり理由も分からず魅かれ合ったり信頼関係を築いたり。

非常に長く、また通常のストーリー展開とは違うためいつどのように話が展開するのか予測がつかない。そんななか徐々に共通のテーマも浮かび上がり、話のつながりも見えてくるとようやく面白くなる。

が、非常に難解だ。特に何度生まれ変わろうとも愛し合う二人が軸になって展開してくれればいいのだが、そうではないので余計に軸が分からない。愛し合う同士だったり敵対したり。主人公はトム・ハンクスとハル・ベリーだと思っていたが違う人が主人公の時代もあるし、登場人物は性別も変えていたり特殊メイクもすごくてじっくり見比べないと当人だと判別できないほどになっていて(それなら別の役者でいいじゃないかと思うけど)、人間関係から話の展開を追いかけるのも難しい。

唯一つかめたのは自由。というもの。人間とは違う生き物だとして牛馬のように扱うのが当然とされた黒人奴隷。クローンによる人造人間のため人権が存在しないのが当然とされる時代。老人性痴呆患者として自由を奪われた状態。契約により拘束された音楽家。薬漬けにされ自由を奪われたり。と自由がない人物、自由を求めて戦う人々の姿が描かれている。

各時代ごとはそれぞれで十分一本の物語として成立する完成度があり見応えのあるものだが、それを細切れに提示されたときになかなか意味がつかみ取れない映画を面白いと言っていいものだろうか。部分部分はすごいし何度も見返しても新しい発見があり飽きないよさもあるのだが。おそらく何度も見返さないと本当には楽しめないようが気がする。

だが、『ソイレントグリーン』への素敵なオマージュに敬意を表して☆3にしました。ブレードランナー(かマトリックス)の世界が10年前なら東京が舞台だろうにその地位をソウルに奪われたのはもはや東京にはエキゾチックな魅力がないのかなぁ。
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posted by jmovie at 01:49 | TrackBack(0) | 洋画・サスペンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月08日

悪人に平穏なし

☆☆ーーー

刑事が酒場で泥酔してその場にいた従業員らを射殺するというショッキングな場面から始まる。だが、酒場の防犯カメラの記録を持ち帰った中から犯罪の場面らしき者を見つけ、他の職務を放り出して執念深くそれを追いかける。

主人公は行方不明者捜索係の刑事。だが過去に特殊部隊にいた経歴を持ち何か過去に因縁があるらしい。

酒場の殺人事件を追跡するのは、女検事だが補佐する刑事は主人公とは同期の友人。殺人犯を捜すうちに、主人公の影が浮かぶ。

彼は始めから目的があって酒場に押し入ったのか?それともたまたま銃を乱射したらそれが過去の因縁に復讐できる組織に繋がる証拠が出て来たのか?主人公自身の言葉もそれを解明する別の捜査員もいないため、釈然としない結末を迎える。

タイトルの悪人は誰の事なんだろう?主人公はいつでも犯罪者を殺して回っていた異常者のか、今回のみ目的があって捜査ではなく自ら裁きをすることを選んだのか?説明不足が過ぎて、何が山場で何を期待して鑑賞すればいいのかよくわからなかった。続きを読む
posted by jmovie at 20:04 | TrackBack(0) | 洋画・サスペンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月01日

ゼロ・ダーク・サーティ

☆☆☆☆☆

まさに執念の勝利。ほぼ10年にわたりただひたすら連続テロの首謀者を探す事だけをしてきた女性が主人公。どこに糸口があるのかも、誰が真実を言っているのかもわからず、自分がどこまで近づいているかも分からない状況。針の山の中で一本の金の針を探し出すようなほとんど徒労でしかない作業をひたすら続ける。

CIAの分析作業。最初は人権を無視してでも行われる拷問からはじまる。一人の人権を無視しても大勢の人間の命をテロから守るための正視に耐えない行為。嘘をついて騙したり、あるいは虚偽情報で騙されたり。世界的な人権批判の中やがてそれは使えなくなり捜査員の苛立ちはつのる。さらに大勢の承認の尋問、買収。その中から曖昧な情報や誤りを省いて何万ピースもあるパズルを解くように目的の物へと迫る。莫大な数の電話の盗聴と分析。

数々のそういう作業を緊迫感を持って映像化している。が、見ている方も、どこまで近づいたのか、もう最後の詰めなのか?クライマックスは近いのか?まったくわからない描写のため息を抜けない。

近づいたと思っても、誤情報だったり、行き止まりだったり。疲弊して脱落していく者もいたり、テロの標的になった者。次第に個人的な感情も重なり苛立ちはつのる。

そんな中ようやく対象者らしきものにたどり着くもそれへの確証が得られない。さらにつのる苛立ち。画面から十分伝わる。

クライマックスへといたる襲撃シーンはドキュメンタリー映像のようなリアリティのあるもので派手なBGMで盛り上げるようなものではなかった。そして悪の権化を倒し勝利した瞬間。普通の映画なら、達成感で皆が祝福しあう抜けたような爽快感が得られるはず。だが、人が死んだ。そこに至までも大勢の敵味方あるいは罪亡き者も死んだ。10年間蓄積した披露があるだけ、カタルシスがないまま終わる。

あまりに長い任務の果ての終わり方は、それが実感だろう。政府上層部とのやりとりの真実はあんなに単純なものではないのだろうが、全体としての思いには真実に近いものがあったのだろうと感じた。

テロをアクションの一貫としてだけ使っているのでも、単に政治的に怒りをぶつけているのでもない。静かなドキュメンタリータッチに共感する。
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posted by jmovie at 23:43 | TrackBack(0) | 洋画・サスペンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月24日

スイミング・プール

スランプに悩むミステリ作家、気晴らしのため南仏の別荘に行く。そこへ編集者の娘が、また彼女の男友達などが入れ替わり立ち替わり現れ、執筆の邪魔をする。

だらだらだらだらくだらない人間関係に煩わされる主人公の日常生活を描き続ける。

テレビなら次になにがあるのかとか、謎は何なのかと先が気になる状況でなければ見続けてもらえないが、映画なら一度劇場に入ったら(あるいはDVDを買ったり借りたら)途中で出てもお金は貰い済みだから何やってもいいと思っているんじゃないか?この映画をミステリ映画と思ってみた人は何をモチベーションに見続けるというのだろうか?ミステリアスなBGMを長せばミステリになると勘違いしているんじゃないか?

最後になってようやく事件が起こるが、そこまでは興味もないのにくだらない日常生活の描写に付合わされる。まったく何一つ面白い部分を見つける事ができなかった。その上、夢オチじゃあどうしようもない。

だらだらした別荘地のおばさんと少女のちょっと異常な生活を見たいなら別だが。
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posted by jmovie at 19:51 | TrackBack(0) | 洋画・サスペンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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