2014年02月02日

秒速5センチメートル[2007]

ドラマというよりも映像による詞の表現。緻密な描写による実写感はすごく作画は文句のつけようもない。ストーリーは単純で主人公らによる独白で状況や感情が説明されていく。景色や人間の動き、夕景夜景などかき分けられた画と淡々とした語り口で叙情的に出来事が語られる。

中学生の少年と少女の淡い恋心とすれ違いのもどかしさの瞬間瞬間を切り取ったもの。20分前後の3つの短編で異なる時空間を切り取ってそれぞれが関連している。実に切ない。紆余曲折も葛藤も起承転結もない。ただ車窓の景色のように流れて行くだけの時間。

秒速5cmは桜の花びらが舞い落ちる速度なんだとか。フィルムもその息で送られているのかもしれない。

※当ブログでは劇場鑑賞以外は星による採点を行っていません。
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2012年10月06日

アシュラ

☆☆☆ーー

内容の異色さにちょっとびっくりした。通常のストーリー展開を想像しながら見ていた。が、それにそったイベントが起こらずおかしな具合に進行して行くので「あれあれ?」と意表をつかれ続けた中盤。序盤はかなり悲惨で恐ろしい内容だし、終盤にも救いがあるとは言いがたい。

全体的には暗く重苦しいものであった。

室町時代の農村。繰り返す戦乱と飢饉で人々は飢えに苦しんでいた。あまりの飢えに人肉を喰らう所まで堕ちた妊婦が男の子を産み落とした。飢えに狂った女は子供を捨ててしまう。子供は一人成長したが、言葉を知らずただ他の動物と戦い殺して生き延びて来た。それがアシュラだ。

それが少女と出会うことで、言葉を憶え、人に優しくされることを憶え、やがて獣から人としての自覚を持ち始める。だが、ただ生きるために殺し、身を守るために闘って来た獣が、「人」となるにしたがい感情を持ち怒りで殺したり自らの境遇に苦しみを感じるようになる。

獣のままであったほうがよかったのではないか?あるいはこの世に生を受けたことが不幸の始まりだったのでは?人として生きるということの苦しさ酷さを感じて苛立ちのたうち回る。たまたま出会った旅の僧侶は彼をその苦しみから救い出すことができるのか。

人の世の無慈悲さをアニメーションで描いた。すごさ、力強さは感じる。でも見終わったとの、スッキリしない気持ちが残る。
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2012年07月11日

グスコーブドリの伝記

☆☆☆ーー

ますむらひろしのキャラクター達が動き回るだけでファンタジーを感じる。そこで起こっていることが悲惨なできごとで、登場人物達の行動はかなり突飛なので実写で映画化するときっと見ていられない印象があったり、リアリティがなかったりと色々問題がありそうだ。

が、大変なことが起こっていても、ありえない行動をしていても、すべてファンタジーとしてその世界では当たり前のこととして受け入れられる。

悲しい出来事だったり、夢の中の幻想的なことだったりがひとつの話の中に同居していても融合してみられるのは世界観のおかげだろう。

ただ背景や機械装置などが相当にリアルに描かれていてそれがやや映像として融合できていないように感じた。

擬音表現などが宮沢賢治らしいリズム感がありナレーションは面白かったし、クーボー博士や赤ひげの行動も面白かったが、他のキャラクターがいまいち整い過ぎていて楽しさが感じられなかったのも残念。

なんといっても結末のあっけなさはどうだろう。盛り上がりに欠ける終わり方だった。しかも数々の謎をなんら解明することなく。これでは小学生の日記のように、〜しました。〜しました。と出来事の列挙でしかない。もう少しまとまりをつけて欲しかった。

森の中での暮らし、農村での暮らし、そして大都会での暮らしと、様々な背景を流転する展開はその都度意外性があり、どんな展開になるのかわくわくする物だった。そしてその流転を引き起こすきっかけは私たち人間の力の及ばない大自然の影響。自然の力により人間が翻弄される様が描かれたアニメーションという点では価値が高いと思う。


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2012年05月17日

劇場版 紙兎ロペ つか、夏休みラスイチってマジっすか!?

☆☆☆☆ー

東京下町で繰り広げられる間抜けな日常。

紙兎のロペとアキラ先輩のけだるく、ちょっととぼけたやり取りですすむ日常生活。かと思ったら、なんと大事件が起こって大変な事態に。でも、二人のマイペースぶりは変わらなかった。

目的が有るようで目的なくだらだら時間をつぶしている二人のやりとりは、微笑ましく観ていて飽きない。なんでかなあと思っていたが、そう夏休みのエンドレスな毎日。日々に区切りがなく同じようでいながら少しずつ違う。いつまでも遊んでいられるモラトリアムな感覚が心魅かれるのだろうなぁ。

むちゃくちゃな要求をするアキラ先輩も結構真面目だし優しい所もあることが随所にあらわれて、心温まる。

平板なキャラと、無駄に精細でリアリティの高い背景のギャップが不思議だが、それも含めて本編以外の楽しみが多い。遠くの方で本編と関係ないことをしている脇役たち。背景に紛れ込んだ看板や張り紙のさりげないギャグなど満載で見逃しているのも結構多いはず。また観たい。

TOHOシネマズで幕間上映されているショートアニメーションの長編映画化作品。

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2009年07月19日

エヴァンゲリオン新劇場版:破


☆☆☆☆ー
総監督:庵野秀明
監督:摩砂雪
声の出演:緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子


劇場版の第二作目。テレビシリーズから10年たつが未だにそのロボットの斬新さ。登場人物の奇抜さはそこなわれていない。

使徒の強力さは第一作目以上ですでに限界を超えている。主人公達は100%以上の力を出すことで撃退しているが、限界を超えているため肉体的にも精神的にも破綻を来してくる。

ただ、本作ではつかの間の平安があり幸せについて考える時間があったり、恋愛というものが単になる肉体関係以外のものとして出て来たりして、自閉症的で後ろ向き一辺倒だったテレビシリーズよりも前向きで明るさの垣間見えるものになっていたのは救いだ。

さらに人類補完計画の実態が次回作以降で描かれる予感のようなものが随所に散りばめられ期待感も高まる。

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