2016年04月28日

孤独のススメ

☆☆☆☆☆



妻を亡くし独り暮らしの男。毎日毎日規則正しく同じ生活を繰り返している。人付き合いは毎週日曜日の礼拝のみ。それでも秩序正しくシンプルで平穏な暮らし。そんな彼が、帰るべき家を知らず言葉も話せないようなおかしな男を自宅に泊めてやることにすることから物語ははじまる。

映画はその二人の奇妙だが静かな生活をただ傍観しているだけのようにも見えた。だが少しずつこころざわめくものが見えてくる。白痴のように振る舞う男がふと間違えて、亡き妻の服を着てしまうことから主人公自身も迷いの中に踏み込む、もしかしたら彼を妻の生まれ変わりのように見たのかもしれない。女装した男暮らす彼を見て、少年がホモと侮辱する。なぜか激昂する主人公。そんなふたりが夫婦の思い出の地、マッターホルンへの旅行を考え始めたときに、迷い込んだ男の正体がわかる。

その後は怒濤のように進む。何もかも明らかになっていく二人の男の人生。あまりのことに後半は涙を流し続けて観た。そして予告編の背景で流れる主題歌には感動以外存在しない。"孤独"な男の心を満たすものは何なのか。ただただ拍手喝采を贈るだけだ。
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posted by jmovie at 14:55 | TrackBack(0) | 洋画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月10日

オートマタ


☆☆☆ーー



アフターワールドもの。人工知能もの。太陽活動の異常により地球が荒廃し人類が滅亡寸前にある時代。少数の人間が壁に囲まれた小さな都市に集住。労働力の不足を補うため、開発されたロボット。主人公はそのロボットの保険調査員の男。

『ブレードランナー』『猿の惑星』『AI』など過去の作品とテーマ的に重なる部分がある。とくに酸性雨の降り注ぐ暗いスラムのような都市を調査員が徘徊する姿はブレードランナーを彷彿とさせる。

やや暗いデザスター的なテーマで、しかも洗練さのかけらもない無骨な労働ロボットたちが静かに歩く様は、最近の流麗でCGによるなめらかな美しさを持つ近未来SFとはやや切り離された時代の作品のようにも映る。汚染の進むすさんだ町での生活に見切りをつけ、主人公は子供の頃の思い出のある海岸地方への転勤を願う。

そのとき調査を依頼されたのが刑事がロボットを"射殺"した事件。刑事はそのロボットが、プロトコルで禁止された「自己修復」を行っていたと主張する。そのプロトコルは絶対に破ることができない暗号化処理をほどこされているはず。操作をする中で、人類を滅亡に追いやる可能性のあるロボットの中に人間性を見つけつつ、既成の価値観を捨てられない主人公。一方、ロボットを破壊することになんの躊躇もない人間たち。その傍若無人さに戸惑いも感じる。

もうすぐ生まれてくる赤ん坊の存在が主人公に何かを感じさせる重要なかけらとなっている。ネタバレあり
posted by jmovie at 22:13 | TrackBack(0) | 洋画・アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月09日

マネー・ショート 華麗なる大逆転

☆☆☆ーー



複雑な金融デリバティブ取引が主な題材になっている。映画という枠の中で観客が理解するのは難しいが、それをどういう意味があるのか分からせるための工夫ががんばっている。ジェンガを使った説明は視覚的でよくできていると思った。

住宅ローンを証券化した金融商品を中身をよく理解せずに買う投資家。理解しようとせず単なる数字のオモチャとして遊ぶ金融業者。本当にその中身を詳しく見ていく中で、とんでもない劣悪な商品だと気がつく。この中身を世間が知れば大暴落間違いなし。その大暴落に賭けて大ばくちを打った主人公たち。だがいつかは崩壊するバブルもいつ崩壊するかわからない。日々膨らんでいく損失、損失の補填に追われて神経をすり減らす日々。

住宅ローン市場の詐欺的仕組み、格付け会社の無責任な体制、自己保身のための犯罪的価格操作。それらを的確にわかりやすく映像化しているのはすごい。
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posted by jmovie at 10:51 | TrackBack(1) | 洋画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月29日

ヘイトフル・エイト

☆☆☆☆☆



個性的な8人の面々のしのぎあい。あれ?山小屋に閉じ込められたのは9人なんだけどなあ。御者のO.B.は嫌われ者じゃないから数えないということね。

とにかく個性豊かな8人。彼らそれぞれの間に因縁があったり対立があったりで、その個々の対立関係が面白い。タランティーノ監督作品らしい台詞による対立。それがどんどん新事実が掘り起こされ非常に興味深いエピソードが語られる。語り口が非常に面白くて、台詞だけで語られて再現映像などないのに面白い。随所で見せる荒くれ者らしい暴力シーンがさらに雰囲気をもり立てる。

登場人物達の衣装や仕草もなかなか雰囲気があってそそられる。退役南軍将軍のただただ昔の偉功にすがるシンプルな軍服。主役二人の賞金稼ぎの豪華で猛々しい衣装。特にマーキスの白革手袋の威圧感も素晴らしい。死刑執行人の英国紳士面、新保安官のコウモリのように敵味方を変える姿勢もよい。殴られても殴られても態度を変えない威勢のよい女賞金首も。とにかく個性のぶつかり合いでどんどん話が進んでいくのが面白い。続きを読む
posted by jmovie at 22:00 | TrackBack(0) | 洋画・アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月23日

X-ミッション

☆☆☆☆ー



驚異的なアクションに圧倒されっぱなしの映画。冒頭から、荒野でのバイク疾走シーン。狭い尾根だけを駆け抜ける様は死と隣り合わせの危険だが高い技術を感じさせるアクション。オリンピックやMLBなどトップレベルのスポーツを息する暇もなく連続で見続ける緊張度の高い傑作。

すごいのはこの驚異的なアクションが一種類だけではないということ。スカイダイビングがあり、サーフィンがあり、スノーボードあり、ボルダリングあり。ちょっとそんなところでやるのは不可能でしょうという場面で行われて、全部がちょっと間違えると死に至る極めて危険なアクション。これを連続で行う。CGを使っていないというからさらに驚愕。しかもいったいどこから撮影しているのか想像すらできない。いや想像はできるけど、とても実現不可能な想像しかできない。この映画が撮影できたこと、最後まで完成できたことが驚異的。
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posted by jmovie at 20:23 | TrackBack(0) | 洋画・アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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